01 / STORY
生まれ変わっても、
変わらなかった口癖。
「大丈夫です」
本当は休みたくても、そう答えてしまう。
前の人生で、自分の気持ちを言えなかったリタ。
エルフとして生まれ変わっても、
「私なんか」という口癖はついてきた。
森での出会い。村での暮らし。
隣にいてくれる人の、何気ないひと言。
少しずつ、自分にもやさしくなれる。
そんな物語を、あなたへ。



01 / STORY
「大丈夫です」
本当は休みたくても、そう答えてしまう。
前の人生で、自分の気持ちを言えなかったリタ。
エルフとして生まれ変わっても、
「私なんか」という口癖はついてきた。
森での出会い。村での暮らし。
隣にいてくれる人の、何気ないひと言。
少しずつ、自分にもやさしくなれる。
そんな物語を、あなたへ。



湯気の向こうに、
あなたの席がある。
02 / CHARACTERS
名前を選ぶと、仲間たちを紹介します。

「私なんか」が口癖のエルフ。休みたい気持ちを言えないまま、異世界で新しい日々を始める。

リタと対等に向き合う友人。現実的で、温かい。村での日々をともにする。

剣を持つ仲間。自分を罰するように働いてしまう、不器用なところがある。

心を閉ざした少女。リタたちとの暮らしの中で、少しずつ関係を育んでいく。

まるくて小さな癒しの精霊。傷ついた心に反応して光る、みんなのそばにいる存在。
03 / SCENES
木漏れ日、雨音、いつもの帰り道。絵からも、この世界を。

A SMALL LIGHT
かっこよく変わらなくても。
すぐに強くなれなくても。
リタたちの日々が、
少しほっとする時間になれたら。
04 / READ & LISTEN
「たかが三つの誤字で、チーム全員に迷惑がかかった」
課長の声は、大きくなかった。
夜の会議室。白い蛍光灯。
机の上に、わたしの作った資料が置いてある。
赤いペンの丸が、三つ。
「明日の朝いちばんの会議で使うから。今日中に直して」
「はい。すみません」
課長が、少しだけ顔を上げた。
「……大丈夫か?」
「大丈夫です。すぐ直します」
考える前に、口が答えていた。
*
席に戻ると、フロアの明かりは半分消えていた。
みんな、もう帰っている。
赤い丸を、ひとつずつ直した。
三つ直して、それから、一枚目から全部読み直した。
ほかにも、あるかもしれない。
まだ、見落としがあるかもしれない。
――三つも。
――何回も見たのに。なんで、こんなこともできないの。
頭の中で、声がしている。
その声に追いかけられるように、また一枚目に戻る。
左手で肩をもみながら、画面の字を追った。
首を回すと、ごきっと鳴った。
パソコンの右下の時計は、十時四十分。
今日も、シャワーだけだな。
本当は、お風呂が好きだ。
熱めのお湯に、肩までつかる。
何も考えないで、ぼうっとする。
その時間が、いちばん好きだ。
火曜日に、ちょっといい入浴剤を買った。
ゆずの香りのやつ。
洗面所の棚に置いたまま、まだ封も切っていない。
金曜日に使おう。金曜日なら、ゆっくり入れるはず。
第1話の冒頭より
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